昔作ったトラベラーズ・チェックをまだ持っている人は、要注意です。

昔作ったトラベラーズ・チェックをまだ持っている人は、要注意です。

「外国へ行くときは、多額の現金はできるだけ持ち歩かないほうがいい」

これは、今も昔も変わらず、現地でスリや盗難などのトラブルに遭わないように、遭っても被害が少なく済むようにと注意喚起されていることです。

この対策として、現在は「クレジットカード」を利用したり、「国際キャッシュカード」を利用して現地で少額ずつ現金を引き出して使ったりするのが一般的です。

これらのサービスが普及する以前は、「トラベラーズ・チェック」(旅行者向けの小切手、以下T/Cと表記します)を利用するのがよいと言われていました。

T/Cは、購入時にその場ですべての券面にサイン(署名)しなければならないことになっており、「購入時にしたサインと、使用時にするサインが一致しなければ利用できないため、万一落したり盗まれたりしても、第三者に不正に使用されることはない」と言われています。

また、「世界中どこでも現金同様に使用できて、有効期限はない」ということも、利点とされていました。

「有効期限はない」と認識されていることで、昔の旅行で使いきれずに残ったものを、いつかの次の旅行に使おうと、そのまま持っている人も多いと思います。私もその一人でした。

トラベラーズチェックに有効期限はないはずなのに?

それが、2014年9月の旅行中、銀行でも両替商でも受け付けてもらえなくて、とても困る経験をしました。「T/Cが現金同様に使用できる」時代は、既に終わっていることを痛感しました。

もし手元にまだT/Cを持っている方がいるとしたら、換金手段がまだわずかに残っている今のうちに、できるだけ早く換金、または使い切ってしてしまうことをお勧めしたく、私の経験談を詳しくお知らせしておきたいと思います。

2014年の2月下旬に、「日本国内のトラベラーズ・チェックの新規発行が、2014年3月31日以降すべて停止となる」とのニュースを読みました。このときふと、10年以上前に作った米ドル建てのT/Cが手元にあることを思い出しました。といっても、220ドル分と少額ですが。

「取り扱い停止になるのは「新規発行」だけで、使用する分には有効期限はないはずだから、大丈夫だろう。でも、そろそろ使い切ることを考えたほうがいいのかな?」と思ったため、この機会に調べてみることにしました。

私のT/Cは、1ドル=140円ぐらいだった1998年8月に購入したものです。当時住んでいた街の地方銀行の窓口で作ったもので、券面には「VISA」のロゴがついていました。

換金の可能性について調べた日時点の為替レートは、1ドル=105円ぐらい。その差35円!今、日本円の現金に換金すると、単純計算でも7700円ぐらい損をすることが確定してしまいます。

それよりなら、同額面の「米ドルの現金」に換金しておいて、この先のいつかアメリカ旅行中に使用したほうが、なんだか損にならないような気がしました。

実際の価値は下がっていることは事実なので、あくまでも気持ちだけの問題ではありますが。米ドル現金なら、この先も確実に有効期限の心配はありませんし、持っているうちにまた価値が上がるかもしれないし、などとも考えていました。

でも、アメリカ旅行の予定はしばらくありません。日本国内で米ドルの現金に換金する方法を調べてみました。

日本で米ドルT/Cを米ドルの現金に換金する方法を調べてみた

日本国内で、米ドル建てのT/Cを米ドルの現金に換金する方法を調べてみたところ、あるにはあるのですが、「米ドルT/Cを売却して日本円の現金に換金」その後、「日本円の現金で米ドルの現金を購入」するしかないことが分かりました。

売値と買値には数円の差額があって、必ず損するしくみになっているほか、この方法では、手数料も2回かかってしまうことになります。うーん、それはよくない。

次に思いついたのは、アメリカ以外の国に旅行するときに、旅行先の国で、その国の通貨の現金に換金することでした。幸い米ドルなので、世界中どこでも受け付けてもらえるでしょう(とこのときは思い込んでいました)し、米ドルT/Cからその国の通貨への換金なので、手数料も1回で済みます。

近々旅行の予定がありそうなのは、・・・ドイツ。ドイツ旅行中にどこかで、ユーロの現金にすることなら、できるかも!

どれぐらいのレート差があることになるのか(損することになる金額)は、知っておきたいと思ったので、最近勉強しはじめたFXのローソク足チャートで過去の為替レートを調べてみました。1米ドル約140円だった1998年8月下旬のユーロは、約153円、ユーロ/米ドルのレートは約1.09ぐらいだったようです。2014年3月上旬の調べた日時点のユーロは約144円、ユーロ/米ドルのレートは約1.40。対米ドルのユーロの価値は、現在の方が上がっていました。

損することには変わりませんが、仮に1998年当時、米ドル建てではなくユーロ建てT/Cを買ったことにして考えると、現在144円のユーロの現金を入手できるのなら、日本円105円にするよりは、ずっとマシかなと思えました。

ドイツ旅行することになった2014年9月、購入当時にT/Cにした漢字のサインと同じサインの古いパスポートも忘れないように持ち、T/Cも持って、旅行に出発しました。

このためだけに貴重な旅行中の時間を潰したくはなかったため、「観光途中に、もし街で見かけたら」銀行か、両替商に行ってみることにしていました。

ベルリンの街を観光中に、目に止まったのは、デパート「KaDeWe(カー・デー・ベー)」の向かいの「Deutshce Bank(ドイツ銀行)」。夫に通訳を任せ、T/Cとパスポートを出してみたのですが、「T/Cの買取りは、だいぶ前に取り扱いを中止しました。ここの近くに両替商がありますから、そちらへ行ってみてください。」と両替商のカードを渡されました。

すぐ隣りの公園に面した向こう側に、その両替商「Euro Change」はありました。

中に入る前に、店頭表示されている「EURUSD」のレートを確認すると、今日換金するのがよい選択なのかどうか、分かりません。ここまできて、こんなことで躊躇するなんて!なのですが、FXを勉強し始めたばかりの者にはありがちな行動です。結局この日は、何もしませんでした。

ホテルに戻って「EURUSD」のチャートを見ましたが、いつがいいかはやっぱり分かりません。躊躇せずに決断するべきだった・・・。「Euro Change」の支店は、翌日観光予定の「アレクサンダー・プラッツ」近くにもあることが分かったため、今度こそ、レートのことは考えずに換金することにしました。

「レートが悪くても換金するんだ」と意を決して、「Euro Change」のアレクサンダー・プラッツ支店窓口で、T/Cとパスポートを出してみました。が、ここでも「このT/Cは、もう取り扱いしていないんです。」と言われてしまいました。

「このT/Cは」と言われたことで、そういえばどこかで、「アメリカン・エキスプレスのT/Cなら使えた」と読んだことがあったことを思い出し、「VISAだからダメなんですか?VISAのT/Cを取り扱ってくれる金融機関ご存じないですか?」と聞いてみたのですが、窓口の人には知らないと言われてしまいました。まあ、当然でしょうね・・・。

このあと、帰りのフランクフルト空港内で、たまたま通りがかった「Reise Bank(ライゼ銀行)」窓口でも聞いてみたのですが、そこでも「VISAのT/Cは受付できません。」と断られてしまいました。

ドイツでこれだけダメということは、他の外国でもダメかも、もう日本国内でするしかないのかも、と思い、成田空港に着いてから、カードラウンジ近くにあった「三菱東京UFJ銀行」でも聞いてみました。でも、ここでもダメ・・・。

ただ、「発行元の銀行でなければ、もうできないはずです。」と、情報をいただくことができました。T/Cを確認すると、発行元として「Sumitomo Bank」の記載があります。ということは、三井住友銀行?

自宅に戻ってから、インターネットでいろいろ調べてみましたが、「T/Cには有効期限はないんだから、当然できる」という情報や、「支店次第」という情報など、いろいろでどれが正しいか分かりません。まだずっと大丈夫(使える)という認識の人が大半である印象を受けました。もしかしたら、もうほとんど「ただの紙切れ」同然かもしれないのに・・・。

とにかく店頭に出向かなければ手続きできないことだけは、確実のようです。

私にとって一番行きやすい「店頭」はどこかと考えてみると、T/Cを実際に購入した地方銀行の支店であることに気づいたため、年末に実家に帰省したときにその銀行の、別の支店ですが行ってみることにしました。

もうこれが本当に最終手段です。

銀行の窓口でこれまでの経緯を話してみると、「過去に販売したT/Cの買取はまだしていますが、支店では手続きできないので、本店に転送しての処理になります。レートは、申込日ではなく、本店で処理する日になります。(私が決めることはできない)」と言われました。

でももう、とにかくできるならOK、ただの紙切れにならないだけでOK、と、このときは思い、そのままお願いすることにしました。

換金後のお金は、口座振込になるとのこと。幸いその銀行には、昔使っていた口座があったので、住所変更の手続きもし、そこへ振り込みしてもらうことにしました。
申込書を記入して、手続きしたのが2014年12月29日。後日、手続きが完了したとのお知らせが郵送で届き、それによると処理日は2015年1月5日でした。

レートは119.15円。26,213円になりました。購入時に支払った金額からは大幅に損してしまいましたが、T/Cが「ただの紙切れ」になる前に気づいて、なんとか換金の手続きができて、よかったと考えることにしたいと思います。

ペンネーム: Nolly

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