チェコのプラハでスリに遭ったら

スリが起きやすいトラム22号線

2015年6月、世界平和度ランキングが発表された。1位から3位まではアイスランド、デンマーク、オーストリアという聞くからに幸福感が漂う国がランクインしている。そして日本は8位、世界162カ国の中でというから日本は非常に幸福と言える。

そして意外にも第10位に入っているのが我が「チェコ共和国」なのである。

確かに暮らしてみるとチェコは安全な国だ。プラハは首都でありながらも殺人や傷害などの事件をあまり聞かないし、欧州各国で話題になった中東からの難民問題も、正直影響を感じていない。しかし観光客を悩ませることが一つだけある。それが「スリ」だ。

プラハでのスリ被害の多さは、フランスやイタリアと変わらないと思う。具体的なデータは発表されていないが、友人が働く旅行会社では多い時で1週間に3回も日本人旅行客からスリに関する報告や問い合わせがあったそうだ。

プラハでスリ被害に遭いやすい2か所

路面電車トラム22号線

当地ガイドなどによると、プラハでスリに遭いやすい場所として最も多く声が上がるのが、プラハ城へ向かう路面電車(トラム)22号線だ。

特に混雑の激しいMalostraske Namesti(マラーストラナ広場)停留所からPrazsky Hrad(プラハ城)停留所までの約10分弱の区間が被害の集中する場所の一つである。通常のトラム区間や地下鉄では滅多に日本のようなすし詰め状態にはならないが、この区間は例外であり、混雑時に観光客を狙うスリが多いのだそう。

カレル橋

そしてもう一箇所はプラハを代表する観光地カレル橋だ。触ると幸運が訪れるという逸話のある金のレリーフ周辺が特に危険だという。レリーフに触るのに夢中になっている隙に、カバンから財布が抜き取られてしまうという話を聞く。プラハの旧市街を観光中は常にカバンから目を離さないように心がけたい。

プラハでスリに遭ったらするべきこと

警察へ盗難届を出す

チェコの警察署

ちなみにプラハで、外国人の対応になれている警察の場所は以下2つ。「Policie」がチェコ語で警察の意味となる。

  • Jungmannovo náměstí 771/9、110 00 Praha 1(ヴァーツラフ広場のすぐそば)
  • Vlašská 362/3、118 00 Praha(マラーストラナ広場やアメリカ大使館近く)

財布だけをスラれてしまったら、カード会社へ連絡

すぐにカード会社に連絡をして止めてもらおう。日本人がもっているカード会社のほとんどはチェコ専用の電話番号はもっておらず、日本の緊急連絡先に掛けることになる。国際電話となると電話代が気になるが、カード会社によってはコレクトコールを受け付けてくれ、その場合は電話代はカード会社持ちとなる。コレクトコールの掛け方は、インターネットにて「KDDIジャパンダイレクト」を検索すると説明が出ているので、参照していただきたい。

パスポートをスラれてしまったら、大使館へ

チェコが最終目的地なら、

在チェコ日本大使館にて「帰国のための渡航書」を発行してもらう。これはチェコが最終目的地で、チェコから他国に観光で立ち寄らずに日本へ帰る(ストップオーバーは不可)場合に有効な策だ。これに際して準備するものは以下4点。

  1. 現地警察発行の盗難証明書
  2. 証明写真
  3. 日本国籍が確認できるもの(戸籍謄本やパスポートのコピーなど。運転免許証でも可能という話もある。)
  4. 旅程表と航空券(日本に直接帰ることを証明するため)
チェコが最終目的地ではないなら、パスポートの再発行を

チェコが最終目的地ではない場合は在チェコ日本大使館にてパスポートの再発行が必要となる。用意するものは「帰国のための渡航書」に必要なものプラス「戸籍謄本または抄本」である。原本は必要ない。日本の家族に役所で取得してもらい、在チェコ日本大使館にFAXをしてもらう必要がある。

それぞれ発行に要する日数は公式には2開館日だが、事情次第では書類が全て揃っていれば即日発行してくれるケースもあるそうだ。

もし週末に被害にあってしまったら手続きは月曜日になるまで待たなくてはならないが、警察から盗難届を入手、写真の準備、日本の家族に戸籍謄本または抄本の入手を依頼の3点は週末にも行えるので忘れずに。

被害を最小限にとどめるためにも、渡航前にカード停止やパスポート再発行の手続きを確認しておくことをオススメする。

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