アメリカで初めてクレジットカードを作りたいと思ったのは、1998年に留学した時でした。その当時の私はアメリカでの生活に不慣れで、とにかく右も左も分からない状態。留学先の語学学校のスタッフに言われるがまま銀行口座を開き、アメリカで一般に利用されている銀行発行の小切手を買い物などの度に使っていました。
しかし、しばらく生活するうちに周囲を見る余裕ができ、スーパーをはじめ、コーヒーショップでも、100円ショップでも、どこでも、アメリカ人はクレジットカードで支払いをしているのに気が付きました。
一方の私は、銀行で発行してもらった小切手に、日付、金額、サインをせっせと書き込み、毎回支払いを済ませていました。既に小切手の扱いにも慣れてはいましたが、アメリカ人がカードを出し、サインをしてサッと支払いを済ますのが何だかうらやましく、私もクレジットカードを作りたくなったのです。
アメリカでクレジットカードを作るには社会保障番号が必要
ところが、クレジットカードを作るにはSSN(ソーシャルセキュリティ・ナンバー=社会保障番号)を持っていないと作れないと言われてしまいました。日本では氏名、住所、電話番号、あとは職業などを申込書に書いて返送すれば大抵の場合カードを作ることができますが、アメリカではそうはいきませんでした。それは、留学生だからとか学生だからとかではなく、アメリカ人も含め基本的にはSSNを申込書に記載する必要があるのです。
その時に知ったのは、SSNはとにかく重要で、クレジットカードを作る、アパートを借りる、ローンを組むなど、さまざまな場面で必要だということでした。1998年当時、SSNは必要事項さえきちんと記載して提出すれば留学生でも取得できましたので、面倒だとは思いましたがSSNを取得し、クレジットカードも無事にゲットしました。
その後、2000年に日本へ帰国したあと、再び2005年に渡米することになるのですが、その時は既にSSNを持っていましたので銀行口座の申し込みと同時にクレジットカードも申請し、アメリカでの2度目のクレジットカードはスムーズに手に入れることができました。
実は、支払いの利便性などのためだけにクレジットカードを作っていた私でしたが、2度目に渡米した際に、クレジットカードの重要性を知人に教えられました。「クレジットカードを作り、利用し、そして支払いをする。」この一見なんでもない支払いの流れが、実はとても重要だったのです。
アメリカではクレジットカードを利用すると、クレジットヒストリーというものが蓄積されてゆきます。カードで支払いをしてその後きちんと支払った、もしくは滞ったという履歴が残ってゆくのです。いわばその人の信用力を示すようなものがクレジットヒストリーなのです。そしてこれらクレジットヒストリーは、先ほど書いたSSNと紐付けされ、アパートを借りる際や、ローンを組む際の審査の基準として利用されます。
それを考えると、支払いが滞った際に及ぼす影響範囲は、日本より非常に広いと言えます。これからアメリカでクレジットカードを作ろうと考えている人は、ぜひこういった事情を事前に知っておいて欲しいと思います。
ペンネーム:エメラルド