私は、トルコで医療通訳をしております、間(はざま)と申します。医療通訳をしておりますと、旅行保険の大切さを切実に感じます。
旅先で危険なスポーツを行う場合、割増保険料(注1)を払っての契約をおすすめします。割増保険料を支払わずに危険なスポーツを行い怪我をすると、十分な補償が受けられない、または全く補償が受けられない可能性があります。
注1)登山用具を使用する登山、リュージュ、ボブスレー、スケルトン、航空機操縦、スカイダイビング、パラグライダー、ハンググライダー、モーターハンググライダー、ジャイロプレーン等を行う場合の割増保険料。
E氏、トルコのエルジンジャンでパラグライダーの事故に
エルジンジャンは、イスタンブールから飛行機で2時間近くかかるトルコ東部の街です。
2013年の9月、エルジンジャンで行われた、パラグライダー・ワールドカップで事故が起きました。経験豊富な選手のE氏が、競技中に乱気流に巻き込まれ、落下したのです。
E氏は
「上昇気流に吸い込まれたかと思ったら急降下していて、コントロールができなかった」
と言います。
運ばれた病院に不信感を抱く
落下場所が救急車がすぐに向える場所ではなかったので、病院に着くまでに時間がかかりました。
最初にかかった国立病院では、痛みで動けないのに、
「骨折はしていないから、問題ない」
と診断されます。
保険会社を通じて、通訳つきで別の病院へ
E氏は病院に不信感を持ち、自分で保険会社に連絡を取り、私立の病院での診断を希望し、エルジンジャンにある総合病院「ネオン病院(Özel Neon Hastanesi」へ。ここからは、私、間が保険会社からの派遣で通訳を担当しましす。
外傷性の椎間板ヘルニアと診断される
MRを撮ったところ、腰椎に外傷性の椎間板ヘルニアが2か所みつかりました。ヘルニアは、ちょうど神経根の部分に当たっていました。
手術を、日本で受けるか?トルコで受けるか?
「激痛があるのは当然だろう。ここで手術を受けるか、日本で手術を受けるか、決めてください」
と告げられます。
手術をすれば、痛みがなくなり安心して日本に帰国できるが。最低でも1週間、できれば2週間は帰国ができない。
トルコで手術、回復後に日本に戻ることに
E氏は多忙なビジネスマンなので、最初は帰国後の手術を希望します。しかし痛みが激しく、手術後に帰国することに決まります。
手術は翌々日に行われ、手術後すぐに痛みがおさまります。これで体力が回復すれば日本に帰国できます。
手術後のE氏に、慣れないトルコ料理はきつい
ここで問題が生じます。エルジンジャンには、日本料理も日本風の料理もないのです。トルコ料理は世界三大料理のひとつですが、手術を受けたばかりのE氏にとって、慣れない味や香り、油っこさはきついものでした。
インスタントみそ汁や果物、ナッツ類で乗り切る
そこで、インスタントのお味噌汁や、市販の野菜ジュース類を飲み、果物やナッツ類を食べてすごします。
危険スポーツに関する割増料金のお陰で、すべて保険でカバー
E氏は、手術1週間後に、日本から迎えに来た救援者の方と一緒に帰国できました。
損保ジャパンの旅行傷害保険に、危険スポーツに関する割増料金を払って加入していたので、搬送費用、手術費を含む入院治療費、救援者の費用を含む帰国費用、帰国後の診察費用のすべてに保険金が支払われました。