暗証番号を使ったカード不正使用は補償対象外

コペンハーゲン中央駅

デンマークは北欧にある島国で、その福祉の充実度から、幸福度や住みやすい国などのランキングで常にトップクラスの国である。ゆりかごから墓場まで、そんな理想を体現している国だ。

デンマークでスリに遭い、お金は戻ってこなかった

しかし私は、テレビの“幸福の国デンマーク特集”を観るたびに「嘘だ」と叫びたくなる。なぜならその幸せな国で私はスリにあったのだから。

語学留学のために、コペンハーゲン経由でドイツへ

2006年1月末、大学4年の最後の試験も終え、就職前の1カ月間ドイツに語学留学へ向かうために、デンマークの首都コペンハーゲン経由でベルリンに向かった。

出発当日の1月28日、搭乗予定だったスカンジナビア航空(SK)成田国際空港(NRT)発コペンハーゲン(CPH)行きSK984便が機材トラブルで急遽3時間ほど出発が遅れた。当初からコペンハーゲンで1日遊んでからベルリンへ移動する予定だったので、とくにトランジットで困ることはないが、コペンハーゲン到着が19時とだいぶ遅くなる。

コペンハーゲン空港でクレジットカードを使い地下鉄チケットを買う

19時頃にコペンハーゲン国際空港に到着し、日本で予約しておいたコペンハーゲン中央駅近くのホテルへ地下鉄で向かう。中央駅へは空港駅から地下鉄で3駅ほど、10分少々で着く。まず空港内の券売機で地下鉄チケットを買う。このとき私は現地通貨を持っていなかったのでクレジットカードを使った。暗証番号を入力して現金を引き出す。今思えばこの時から私は狙われていたのだ。

着いた駅のエスカレーターで将棋倒しに

地下鉄に乗り中央駅に着く、コンコースへ上がるためにエスカレーターに乗る。スーツケースも持っていたので、エスカレーター上では歩かずに止まっていた。

その時だ。私の前にいた人がエスカレーターを降りる直前で倒れて、私の前後の人とともに将棋倒しになったのだ。なんとかケガなく、止まったエスカレーターをのぼってコンコースへ。

現地通貨を引き出そうとしたら、財布がない!

その後に駅のATMで現地通貨を引き出そうと思ったときに、財布がないことに気づいた。恐らく地下鉄チケットを買ったあと、当時来ていたダッフルコートのポケットに入れてしまったのだと思う。そしてここからは推測になるが、思い返すとあの将棋倒しの前後にいた人たちがグルだったのかもと思うが、時すでに遅しで駅近くの警察へ。

警察で盗難届を出し、電話でカード停止

まず警察で盗難届を出し、証明書を発行してもらった。そして警察の電話を借りて、持っていたクレジットカード2枚と国際キャッシュカード1枚の緊急連絡先に電話をして、停止。

ショック!1時間で60万円がつかわれていた

その将棋倒しから1時間少々だが、どうやらこの時に限度額(クレジットカード総額50万円と国際キャッシュカード10万円)まですべて使われてしまっていた。

警察で事情を説明している最中、ゴミ箱に捨てられていた私の財布が警察に届けられた。しかしその財布を見ると、残っていたのは海外キャッシング機能のついていなかった郵貯のキャッシュカードと某ドラッグストアのポイントカードだけ。

暗証番号でカードを不正利用されたらお金は戻ってこない

通常は不正に使用された分は保険でカバーされるのだが、今回は補償されない。というのも地下鉄チケットを買うときに入力した暗証番号を後ろから見られていたらしく、しかもクレジットカードもキャッシュカードも同じ暗証番号だったために、両方とも暗証番号を使って買い物やキャッシングをされてしまったのだ。

カード会社の説明では、暗証番号を使った買い物やキャッシングは補償の対象外だという。大学4年生が就職前に60万円の負債を負うという悲惨な事態に陥った。

語学学校費用とホームステイ費用は別の財布にいれていたので無事だったが、現地で生活していくお金や計画していた旅行に出かけるお金を失い、またお金を調達する手段も失った。当時会員だったJCBカードのサービスで、当面の生活費を現地の銀行経由で借金することができ、細々とだが生活はできた。

就職前に貯めた貯金をすべて失い、貯金でまかないきれない分の負債を背負い、しかも留学にも憂鬱な気分で集中できずの最悪な経験。しかしこの悲劇は旅慣れているという慢心が生んだということは否定できない。

なのでスリが多いといわれるプラハに暮らす今、常にカバンを前に置き、財布はとられにくいカバンの奥へというのを徹底して、常にとられるかもということを意識しながら歩いている。

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